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特殊建築物の定期調査 概要と自治体別の報告書書式について

特殊建築物の定期調査 概要と自治体別の報告書書式について

多くの人々が利用する特殊建築物は、適切な維持管理を目的として、定期調査報告が義務付けられています。定期調査の概要をふまえた上で、自治体別に異なる定期報告の書式を説明します。

 

特殊建築物の定期調査概要と報告方法

a)概要

特殊建築物とは、不特定多数の人々が利用する比較的面積も大きな建築物です。具体的には学校や劇場、百貨店、ホテル・旅館、マンションや飲食店、ダンスホール・ナイトクラブなどです。これらの建築物は、構造や設備が特殊なため、火災や事故が発生した場合に、多くの人々や周辺環境に大きな被害を及ぼす恐れがあります。建築基準法により、特殊建築物は、完成後も建物や設備の適切な維持管理を行い、定期的な点検と報告をすることが義務付けられています。

定期調査では、建築物が損傷や劣化をしていないか、違反の改変がないか等を点検します。建築基準法に基づく定期報告の調査項目は、下記の通りです。

1 建築物(敷地及び地盤・建築物の内部と外部・屋上と屋根・避難施設等)
2 建築設備(換気設備・ 排煙設備・非常用の照明装置・給水設備及び排水設備)
3 昇降機等(エレベーター・エスカレーター・小荷物専用昇降機・遊戯施設等)
4 防火設備(防火扉・防火シャッター・耐火クロススクリーン・ドレンチャー等)

定期調査は、一級建築士・二級建築士、特定建築物調査員などの有資格者が行います。 定期報告をするのは、建築物の所有者または管理者に義務があります。

b)定期調査の報告方法

定期報告の提出は、建築基準法により、特定行政庁に提出することになっています。特定行政庁とは、人口25万人以上で建築主事を設置する自治体のことを言います。人口25万人未満の市区町村では、所属する都道府県が管轄の特定行政庁となります。実際に報告書を提出する窓口は、都道府県や市のホームページで確認できます。

特殊建築物の定期調査 自治体別の書式詳細

a) 兵庫県

兵庫県住宅建築総合センターのページからダウンロードすることができます。兵庫県ホームページからもリンクしています。概要は以下の通りです。

1 特殊建築物定期検査報告書
・報告書
・調査結果表
・調査結果図
・関係写真

2 建築設備定期検査報告書
・報告書
・検査結果表
・測定表
・調査結果図
・関係写真
・国土交通大臣が定める項目の検査計画書

3 防火設備定期検査報告書
・報告書
・検査結果表
・調査結果図
・関係写真

4 添付図面
・付近見取図
・配置図
・各階平面図
いずれもA4(折り・縮小版可)
指摘のあった箇所や、防火区画がある場合は、図面上に赤書き等で明示する

b) 神戸市

神戸市ホームページ「定期報告制度(建築物・建築設備・防火設備)」ページからダウンロードできます。概要は以下の通りです。

1 報告書表紙
2 特殊建築物等の定期調査報告書の報告内容について
3 定期調査報告書 第1面から第4面
4 階別用途別床面積不要の場合は省略可能
5 建築物の履歴に関する事項
6 調査結果表
7 図面等(付近見取り図:A3折り図またはA4)
イ.付近見取図:A3折図又はA4図
ロ.配置図:原則A3折図(容易に判別できる場合はA4縮小可)
ハ.各階平面図:上記同じ
・防火区画(赤線)、防火設備の種別、防煙区画(青線)を明示する
・避難経路(赤点線)を明示する
・指摘のあった箇所や撮影した写真の位置を明記する
二.関係写真:A4
8 定期調査報告概要書

c) 大阪市

大阪建築防災センターのサイトより、書式をダウンロードできます。概要は以下の通りです。

1 報告書(第一面〜第三面)
2 建築物定期調査結果書
3 調査結果表
4 調査結果図(配置図・各階平面図)
5 関係写真
6 概要書

d) 京都府

京都府ホームページ「特定建築物等の定期報告制度について」ページからダウンロードできます。概要は以下の通りです。

1 定期調査報告書
2 定期調査概要書
3 調査結果表
4 調査結果図
5 関係写真
6 添付図面
・付近見取図(方位、道路及び目標となる地物)
・配置図(縮尺、方位、敷地の境界線、敷地内の建築物の位置・用途、敷地に接する道路の位置・幅員)
・建築物の各階平面図(縮尺、方位、間取り、各室の用途、壁の位置、開口部・防火戸の位置、延焼のおそれのある部分の外壁・軒裏の構造、防火区画・隔壁の位置、非常口、非常用進入口・避難施設の位置)

まとめ

定期報告の書式は、特定行政庁や都道府県・市によって異なります。建築物の所在地を管轄する自治体の情報を確認して、指定の書式を使用しましょう。また、報告書には図面等の添付書類が必要です。書類をもれなく揃えて、指示通りの記入をして提出する必要があります。特殊建築物は多くの人々が利用する建物です。長く安全に維持管理ができるよう、定期報告を適切に行うことが重要です。

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